ふるさと精油をつなぐ会

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イベントレポート
2022/12/21

シニア森林大学 第13回「森と人をつなぐクロモジ」 2022年12月18日(日) 於・自由が丘ソフィアホール

今年最後の講座のお題は、国産精油でも大人気のクロモジ。
今回の講師、養命酒製造・熊谷先生がお召しになっているのは、クロモジ染めのシャツ。
天然の鮮やかな色に、会場にお越しの皆さんも興味津々だったようです。

さて養命酒といえば、日本に住む人なら一度は名前を聞いたことがあるお酒だと思います。
でもその養命酒を作る会社が、なぜ「森と人をつなぐクロモジ」について語るのか?
講座は、そんなお話からスタートしました。

養命酒の歴史は深く、1602年、江戸時代の始まる1年前に作られたと言われているそうです。
その成分の40%を占めるのが、クロモジエキス。
クロモジは自律神経の緊張を取ることを目的に配合されているそうですが、成分分析のできない時代の人も、クロモジのリラックス効果を感じ取っていたのですね。

後半はクロモジとは切っても切れない関係の、養命酒製造さんのクロモジ研究をご紹介いただきました。
特に各地のクロモジの精油成分の分析表には、会場からも驚きの声が。
(なぜ驚きの声が上がったのかは、どうぞアーカイブをご視聴ください!)

また、クロモジが私たちの生活にどのように関わってきたのかも、多数ご紹介いただきました。
クロモジといえば高級楊枝の代名詞でもありますが、それ以外にも生活の中で多様な使い方がされている、身近な樹木であることがわかりました。

そしてクロモジを使い続けていくために知っておきたい、日本の森の現状について。
人の手が入ることで、森はいきる。
当会の谷田貝代表も「木は伐らないと、山は育たない」と講座でよくお伝えしていますが、その話ともリンクするような内容でした。

そして、近年は各地で化粧品、お菓子、クロモジ茶やクラフトジンにクロモジを使った商品が登場しています。

今回はクラフトジンの先駆けとなった養命酒製造さんの「香の森(かのもり)」「香の雫(かのしずく)」、クロモジのど飴2種もお持ちいただき、会場の皆さんにも体感していただきました。

クロモジは英語で「スパイスブッシュ」というそうですが、クラフトジンの封を切った瞬間に広がる香りは、まさにスパイス!
香の森、香の雫は入っているボタニカルの数や製法も異なるのですが、会場の皆さんに伺ったところ、好みも綺麗に半々に分かれていたようです。
当会きっての酒豪・谷田貝代表も、ジンの美しい香りに思わず笑顔に。

その他、この日のために伐りたてのクロモジで楊枝を削ってくださった、楊枝職人の 平田 浩造 さんによる楊枝の作品展示、日本各地のクロモジ精油の展示も行いました。
気がつけば、会場の雰囲気もいつのまにかリラックスモードに。
クロモジの香りの力を、皆さんと存分に味わうことができた講座となりました。

オンラインでこの香りが届けられないことが本当に残念ですが、せめて写真から少しでも香りが想像できますように…!

当日のアーカイブにつきましては、10日後を目安に配信の予定です。
これからご覧になる方は、養命酒製造のジンやクロモジのど飴を楽しみながらご視聴いただくと、さらに知識も深まるかもしれません。
アーカイブだけでもご視聴になりたい方は、事務局までご連絡ください。

改めて、熊谷先生、ご参加くださった皆さま、どうもありがとうございました。

<次回のシニア森林大学は、森林浴について>
来年2月12日、講師に東京農大の上原先生をお招きして、森林浴の効果について学ぶ会となります。
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